浜離宮庭園の「汐入の池」の周辺に整備されている散策道を引き続き散策していきます。池の湖畔周辺には立派な黒松の木々が植えられていて、皇居前広場と似た雰囲気ですね。
汐入の池の南東側は東京湾の海面に面していて、残りの三方は庭園内の小川によって囲まれています。池の周囲には散策道が張り巡らされていて、「回遊式日本庭園」として整備されています。
汐入の池は、海水を水門から取り入れることによって、汐の満ち干きによって池の風景の趣きを変える仕組みになっていて、午前中の時間帯の散策だったので、水量は思ったよりは少なかったです。
汐入の池の北側に建っている「松の御茶屋」の建物が小さく見えました。あの御茶屋の建物を目指して散策していきます。
汐入の池の南東側の散策道を歩いていて、何より印象的なのが汐留シオサイトの高層ビル群です。旧国鉄の汐留貨物ヤード跡地に2002年から竣工し始めた高層ビル群の存在感は圧倒的です。
汐留シオサイトの高層ビル群は高さが190〜200メートル前後の高さにほぼ統一されていて、遠くから見ていると統一されたデザインの高層ビルの印象が強いです。
汐入の池周辺の回遊式日本庭園が始めて造成されたのは承応3年(1654年)で、徳川 四代将軍家綱の弟で甲府宰相の松平綱重によって造営されました。
それ以前の浜離宮庭園があった場所は、「日比谷入江」と呼ばれている湾状の海面と、「江戸前島」と呼ばれている半島状の陸地に挟まれている湿地帯のような場所でした。
葦の生い茂った海面だったものを埋め立てて甲府屋敷といわれる別邸を建てたのが浜離宮庭園の始まりだったのです
汐入の池の河岸には石や岩などが積み上げられていて、海のそばにある日本庭園の雰囲気となっています。
散策道から外れて、湖畔前まで近づくことが出来ます。
初冬の寒い北風によって波立つ汐入の池の水面には、汐留シオサイトの高層ビル群が綺麗に写り込んでいました。
浜離宮三山の一つである「御亭山」へ伸びている木橋を撮影しました。この木橋を渡らず、さらに汐入の池周辺の散策道を歩いていきます。
汐入の池の全景と、背後に広がっている汐留シオサイトの高層ビル群の全景を撮影することが出来ました。大企業の本社機能が集中している高層オフィスビル群と、最近の都心回帰現象を象徴する高層タワーマンション群と、江戸時代の大名屋敷をルーツとする日本庭園の風景です。
江戸時代の大名屋敷の日本庭園と高層ビル群、これこそ「東京らしさ」の神髄だと思います。
松の御茶屋のテラスでは、御茶を楽しんでいる団体旅行客の女性の皆さんの姿が見えました。今まで浜離宮庭園の緑地帯を散策していて、初めて人間の姿を見かけました。